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あれ?タバコ、わざわざ外? 気を使う事なんてないのに… 1人リビングに取り残されても何だかつまらなくて、蜜は禅を追いかけてバルコニーに出た。 「うわぁ~!」 そこは10畳ほども広さがある、庭と言っても良いくらいの場所だった。 裸足で降り立ったテラコッタのタイルがひんやりと冷たい。 「あれ?タバコ吸うの?」 備え付けられたベンチに座った禅が意外そうにそう言って灰皿を差し出す。 「ううん。吸わない。1人でいてもつまんないから来ちゃった。」 そう言って禅の隣に腰を下ろし、すぐさまベンチの上で膝を抱えて座る。 「いつもタバコは外?」 「いや、気が向いた時だけ。」 「なら中で吸ったらいいのに。私なら気にしないよ?お父さんも弟も吸うし。」 「うん。でもさ…」 禅はそこで一旦区切ってまだ乾ききってない蜜の髪を一房手に取る。 「髪に匂いが移っちゃうからね。」 「いいよ?別に。」 「嫌なんだ。すごくいい匂いだから。ハニーちゃんの髪。」 「だって禅ちゃんだって同じ匂いでしょ?」 蜜はケラケラ笑いながらベンチに膝立ちになって禅の頭に両手をかけると顔を近づけた。 「うん。やっぱり同じだ。同じ臭い!」 .
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