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頭に手をかけたままで蜜はクスクス笑っている。 2人にはもうほとんど距離がない事は気にしていないらしい。 「ハニーちゃん…」 「ん?うひゃあ!」 呼ばれて手を離した瞬間、禅の長いうでにあっという間にさらわれた。 何が何だかわからないうちに、ベンチに座った禅の膝を跨ぐように座らされていた。 「いきなり何?」 「ハニーちゃん、隙ありすぎ。」 禅は何故かふてくされたような顔でそう言った。 「ガードする必要ないからねぇ。」 「それどういう意味?」 禅の顔がますます険しくなる。 「言い寄って来くるのは下心丸見えの奴ばっかりだから。それくらい警戒しなくてもわかるよ。 それより…」 蜜はすっと人差し指を伸ばすとシワの寄った禅の眉間をグリグリ押した。
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