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やっぱり忘れてないよねぇ。
とっさに出たルール改正の言葉。
無駄な悪あがきがそう言わせたその言葉。
自分で思ってる以上にのめり込んでいた事に今更気付く。
「んーそうだねぇ。。5周年記念特別改正!唇にしないなら良いことにする!」
ほっぺにチューなら大丈夫だよね?
自問自答して背負われた背中から禅の頬にわざとらしくリップ音をたててキスした。
「特別サービスだよ?」
ふと緩んだ腕に、足を地面に着けようと伸ばす。
片手を離した禅は、その片手をあっという間に蜜の肩に回して、どうやったのかくるりと蜜の体を抱き上げた。
「何!今何した?」
訳がわからないままお姫様抱っこをされて、見上げた禅はニヤリと笑うとそっと額にキスした。
「やっぱりこっちの方がいいな。」
一向に降ろされる気配もなく、蜜は為す術がない。
「バカな事言ってないで早く降ろしてよ。」
「え~ヤダなぁ。」
禅はいじわるそうに笑っている。
「おにーさん、手がプルプルしてますよ!明日筋肉痛になっても知らないからね!」
「ハニーちゃんくらいなら一日中でも平気。いつも背負ってる要救助者一号さんは75キロだから、軽いもんだよ。」
「いいから早くお・ろ・し・な・さい!」
そう言われて禅は仕方ないね、とやっとソファーに下ろしてくれた。
「ビールもぬるくなっちゃったし、もう寝よう?」
「そうだね。」
蜜はテーブルの上をさっと片付けてそのままトイレに向かった。
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