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トイレから戻って来ると禅がソファーに毛布を広げている所だった。 「あ、ありがと!」 「いや、こっちは俺。ハニーちゃんは俺のベット使って。」 さすがに家主をソファーに追い出してベットを占領するのは気が引ける。 それに… 「どうやって寝るつもり?」 明らかに足はみ出すでしょ!? 「何とかなるよ。」 いやいやいや、きっと床に寝るハメになるに決まってる。 「私寝相いいからソファーで平気。禅ちゃんがベット使いなよ!」 「それは絶対に出来ない。」 禅は断固として譲る気はないようだ。 仕方ない。 「じゃあさ、私、海人くんの布団にお邪魔するよ!ね?」 「あんな子供布団で寝たら風邪ひくからダメ。」 私は絶対ベットで眠らなくてはいけないらしい。 でも禅はソファーで寝るのは絶対無理。 じゃあ…ああするしかないじゃん。 蜜は毛布に潜り込もうとする禅の元に歩み寄った。 「行くよ!」 ?な顔をする禅の手を取るとスタスタと寝室に向かって歩き出した。 「ハニーちゃん!」 「うるさい!海人くん起きちゃう!ほらリビングの電気消して!」 言われるがままに手を引かれて寝室に入る。 「何ボケッとしてるの?奥!」 蜜に押されてベットに上がる。 蜜は海人の布団をキチンとかけ直すと太郎を跨いでベットサイドに立った。 「もうちょっと奥行ける?」 「え?」 「私抱き枕がないと寝付けなくて。太郎を布団に入れたらダメ?」 やっと蜜の考えがわかった禅は布団を捲ると奥に詰めて横になった。 「太郎は暑がりだから布団には入らないよ。」 「やっぱりそっか。」 蜜は諦めたように布団に潜り込んだ。
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