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ふと見るとカウンターには車の鍵。 「そんな近くにお店あったっけ?」 昨日買い物に出た時、車中から見た景色で案外自分のアパートから近い場所だと言うことはわかっていた。 当然ながら地の利も若干はあるが、10分で往復出来る距離にパンが売ってる店などあっただろうか? 「ねぇハニーちゃん?」 ふと呼ばれて振り返ると、お泊まりセットから着替えを引っ張り出しながら海人がいた。 「今日ぼくママの病院に行くんだ!」 目を輝かせながら海人はそう言った。 「良かったね~!」 「ハニーちゃんも一緒に行こうよ?」 「う~ん、また今度ね!」 「ええ~っ!ぼくまだハニーちゃんと一緒にいたいよ!」 「また今度遊ぼう?私ゆうべおうちに帰ってないからお掃除もお洗濯もやらなくちゃ。」 「そっかぁ…ばぁばもお仕事でお泊まりした次の日は一番最初にお掃除とお洗濯してる…」 何だか納得してくれたようでホッとした。 海人くん。私がママのお見舞いに行くと確実に誤解されるから行けないんだよ。 心の中でそう呟く。 お年頃だから。私も禅ちゃんも… そろそろ嫁を紹介しに来てもおかしくないと思ってるはずだもん。 天地がひっくり返ってもそれだけはないから。 蜜は海人の話に相槌を打ちながらもそんな事を考えていた。
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