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「海人くん、ごめんね。お友達がお迎えに来るから帰らなきゃ。」
蜜は向かい合ったままの禅から目線を逸らして海人にそう言った。
「お迎え?そっかぁ…」
「うん。また遊ぼうね!」
「約束だよ!?」
「うん。約束!」
逃げ場所に海人を使った。
最低だ。私。
しかし禅はそれを簡単に許すはずもなく…
「海人、テレビ始まってるぞ。」
テレビには戦隊物のヒーローが映っていて、仕方の無いことだけど海人はすぐにテレビに釘付けになった。
「ハニーちゃん。」
「そろそろ来るかな?」
「ハニーちゃん!」
「はい…」
「俺ちゃんと勘に話すから。」
「いいよ。大丈夫だから。どっちみち尚の追求からは逃れられないしね!」
無理に明るく振る舞ってみるけれど、禅の眼差しは真剣なままで。
「俺本気だから。」
ついに腕を掴まれて抱きしめられてしまった。
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