15838人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょ!尚?」
尚は蜜にガバッと抱きつくと泣きながら何度も呟いた。
「良かった。良かった。」と。
「え?ちょっと、尚ってば!どうしちゃったの?ねぇ?尚?何が良かったの?」
尚は蜜の両肩をつかむとまだ涙で潤む瞳で笑っていた。
「なんか怖いんだけど・・・」
若干引き気味の蜜に尚はお構い無しに言った。
「やっとだよ?やっとあんたがあんたに戻った!」
「はぁ?」
「良かった!本当に良かったよ!昨日騙してまで連れて行って本当に正解だった!」
「ごめん。話見えないんだけど?」
訝しげな顔をする蜜に尚はニヤリと笑って答える。
「だから怖いってば!何なの?」
「やだ!あんた自分で気付いてないの?」
「だから何がよ!?」
「あんたあれだけいつも言ってたじゃない。恋は落ちるものだって。まさか気付いてないの?あんた、落ちてるよ?確実に落っこってる!」
最初のコメントを投稿しよう!