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「ちょ!尚?」 尚は蜜にガバッと抱きつくと泣きながら何度も呟いた。 「良かった。良かった。」と。 「え?ちょっと、尚ってば!どうしちゃったの?ねぇ?尚?何が良かったの?」 尚は蜜の両肩をつかむとまだ涙で潤む瞳で笑っていた。 「なんか怖いんだけど・・・」 若干引き気味の蜜に尚はお構い無しに言った。 「やっとだよ?やっとあんたがあんたに戻った!」 「はぁ?」 「良かった!本当に良かったよ!昨日騙してまで連れて行って本当に正解だった!」 「ごめん。話見えないんだけど?」 訝しげな顔をする蜜に尚はニヤリと笑って答える。 「だから怖いってば!何なの?」 「やだ!あんた自分で気付いてないの?」 「だから何がよ!?」 「あんたあれだけいつも言ってたじゃない。恋は落ちるものだって。まさか気付いてないの?あんた、落ちてるよ?確実に落っこってる!」
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