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今更そんなこと考えても何もならない。 今ここにあるのは現実だけなんだから。 蜜は一つ息をついて重い口を開いた。 「こんなこと、いままでかけた迷惑を思うと言えた義理じゃないのは分かってるんだけど・・・」 「あのねぇ!誰が迷惑だなんて」 「尚、待って。最後まで蜜ちゃんの話聞いて。」 すかさず口を挟む尚を勘が静止する。 勘にはもう私が何を言いたいのか分かっているのかもしれない。 禅が同じことを話したのかもしれない。 でもこれは私の口からちゃんとお願いそないといけない。 いままでずっと支え続けて来てくれた二人への礼儀でもあるし、恩返しにもなるはずだから。 「私と禅ちゃんのことについて何も言わないで欲しいの。」 「どういうこと?」 「私達、友達以上恋人未満の関係になるって約束したの。」 「はぁぁぁ???」 「お互いそれが一番だってちゃんと話し合った結果だから。」 「まさかその一言で納得しろって?」 蜜は困ったように笑う。 やっぱり尚には通用しないか・・・ 「禅ちゃんは何か理由があってずっと恋人がいなかったのよね?」 問いかけるように勘へ目線を送ると勘は黙って頷いた。 「だから禅ちゃんは自分さえその気になればいつだって恋人ができる。気遣いも出来るし優しいし、ブランクがあるなんて思えないくらい女の子の扱いが上手いもの。ハッキリ言ってプレイボーイって感じ。」 「へぇ!」 蜜の言葉に驚きの声を上げたのは勘だった。 「そうなの?アイツが?」 「うん。知らないの?」 「見たことないね。」 「そう?まぁそういう訳だから、いつか禅ちゃんに好い人が出来たらこの関係は終わり。だからそれまで私達がどんな関係でどんなことしてても黙ってて欲しいの。」
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