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「本気だよ。10年振り、いや、多分初めてだな。自分以外をこんなに大切に思うなんて今まで経験ないから。」 禅のその言葉に姉は少しだけ安堵したようだった。 張り詰めていた表情が少しだけ和らぐ。 「本気ならいいの。」 「理由は教えてくんねーんだろ?」 「そうね。具体的な事は言えない。医者だから、って言うのも勿論あるけど、あんたが本気だって言う以上、同じ女として私から話すことは出来ないの。」 姉のその言葉に、禅は黙って頷いた。 「でもこれだけは言っておく。生半可な気持ちなら止めなさい。止めないなら絶対焦っちゃダメ。」 「解ってる。どんなことがあろうと、どれだけ時間がかかろうと諦めるつもりはないから。」 「そう。それを聞いて安心した。私はあの子の相手があんたで良かったと思ってる。」 「えっ?」 「あの子には絶対幸せになってもらいたいの。身内贔屓かもしれないけど、あんたなら任せられると思って。私の弟だし。」 姉はそう言うとニッコリ微笑んだ。 「それはどうも。」 「あ、そうそう。あれ冗談じゃないからね?」 「あれって?」 「だから!セックスするのは私の許可が降りてからよ?」 「嫌だ。」 「ダメよ。言っとくけどこれは医者として言ってるの。勢いとか流れでやるんじゃないわよ?良いわね?」
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