5

3/194
前へ
/1073ページ
次へ
蜜はバキバキの体を引きずるようにホテルの地下駐車場へ向かっていた。 事の発端は3日前。 突然内線で社長室に呼びつけられた。 何事かと駆けつけると扉の外で待っていた尚にそっと耳打ちされる。 「ゴメン。」 「え?なに?」 「裏切ったわけじゃないのよ。」 「どういうこと?」 「とにかくゴメン。先に謝っとく。ってことで社長待ってるから。」 尚が何について謝っているのかわからないままにドアの向こうへ押し込められてしまった。 「あぁ、平間さん。忙しいところ悪いね。」 社長は満面の笑みで蜜を迎え入れた。 「いいえ。連休前で宿泊客も多くないし大丈夫です。で?何でしょう?わざわざ呼びつけるなんて、私何かしましったっけ?」 「いや、お願いがあって。」 「何でしょう?」 「うん。2週間後のゴルフコンペに一緒に参加してもらうから宜しくね!」 「ええっ!?」 「もう君の名前も連絡しちゃったし。悪いけどヨロシクね。」
/1073ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15838人が本棚に入れています
本棚に追加