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社長西宮はそう言うとニッコリ微笑んだ。 「心配しなくていい。今日から毎日夜の予定は開けてある。」 「それは、どういう・・・?」 「練習する時間はあるから。尚に聞いたよ?以前はやってたそうじゃないか。」 ようやく尚の怪しい言動の意味を理解した。 尚のやつ! 確かに以前はゴルフをしていた時期もあった。 父親の付き合いから始まって暫くはまっていたのは事実だ。 でも、もう5年以上ブランクもあるし、何より父親や兄弟達とラウンドした楽しい思い出より、異国の地でその後の悲劇も知らずに無邪気にラウンドしていたことを思い出して胸が苦しくなる。 「やっぱり無理です。社長と一緒にラウンドするのは無理。」 「これは社長命令だと言っても?」 「ずるい!」 西宮はニコニコしたまま蜜の言葉には全く動じてはいなかった。 「大丈夫だよ。さっそく今夜からレクチャーするから。18時に地下駐車場で待ち合わせしよう?」 有無を言わせない西宮の微笑みに蜜は何も言い返せず、すごすごと社長室を後にした。 尚のやつ!恨んでやる!  
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