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「社長持ちますよ。」 「いいよ。女の子に持たせようとは思わないし。それより早く着替えておいで。」 この会話は毎日繰り返されている。 社長に荷物を持たせるのも何だかなぁと思ってはいるが、西宮がそれを許さない。 こうしているとまるで恋人同士みたい。 そうぼんやり考える。 きっと誰が見ても社長と社員には見えないだろうなぁ。 蜜は言われた通りロッカールームで手早くゴルフウエアに着替えた。 このウエアもクラブも靴もグローブもみんな西宮から手渡された物だった。 会社の経費? だとしたらヤバイんじゃない? 不正経理問題になりかねないんじゃ・・・ そんな心配に西宮はアッサリこう言った。 『そんなケチ臭いことするか。全部ポケットマネーに決まってるだろうが!』 まぁ社長の西宮にしてみれば痛くも痒くもない出費に違いないが、ちょっとやりすぎな気もする。 そんな大事なコンペに私みたいな素人がすごすご出ていっていいものなんだろうか。 そんなことを考えながらレンジに向かった。
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