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結局西宮はそのままアパートの前まで送ってくれた。 「ありがとうございました。」 「蜜、明日は休め。」 「は?」 「だから明日は仕事休めって言ってるんだよ。」 突然の西宮の命令にポカンとしてしまった。 いきなり休めって一体どういうこと? 「倒れられたら困るから。」 「大丈夫ですよ。たぶん・・・」 「ダメ。社長命令だから。」 「またそれぇ?」 呆れたようにそう言うと西宮はニヤリと笑った。 また何か企んでる!絶対! 「今急ぎの案件もないしお前有給消化してないし。その代わり日曜日は早朝から休日出勤な?」 「えぇー!」 「明日明後日は練習も休みにするからゆっくり休め。日曜日は5時に迎えに来るから。」 「5時!?早っ!」 「千葉まで出張。ウエア忘れるなよ?一回ラウンドしときたいだろ?本番の前に。」 日曜日は西宮と朝からゴルフということか。 確かに一回ラウンドしておきたい気持ちはある。 体もメチャクチャ疲れてるし。 「了解しました。お言葉に甘えて明日はお休み頂きます。日曜日は頑張って早起きします。」 「それでヨシ。じゃあな。早く寝ろよ。」 「はい。お休みなさい。」 最終的には西宮に感謝して車から降りた。 あぁ明日は休みだ! バキバキの体を思い切り伸ばす。 少しだけ軽くなった足取りでアパートに向かう。 ふと目線を上げるとそこには禅がいた。
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