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禅は何も言わずにそのまま抱き締めていてくれた。 「禅ちゃん、どうしてここにいるの?」 ようやく動き出した頭に真っ先に浮かんだ言葉をそのまま呟く。 「会いたかったから。」 禅は短くそう答えた。 簡潔な答え。 でもそれがかえって心に響いた。 禅がそっと腕の力を緩めてキツく抱き締めていた腕をほどくと自然と目線がぶつかった。 「ところで・・・」 そう言って一旦言葉を切ると途端に眉間にシワを寄せた。 「アイツ誰?」
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