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「それ誰か代わりいないの?」
「社長が彼女を1人に絞ってくれたら良いと思うんだよね。イイ年だしさ、婚約者に昇格させて連れて行けばイイのに。」
「そんなに遊び人なの?」
「じゃないかな~?結構なイケメンよ?社長だし。相手は掃いて捨てる程いると思うけどねぇ。」
蜜はかったるそうにそう言った。
この様子じゃ蜜にその気はなさそうだ。
でもそんな男なら本気ではないにしろ多少の危険はあるに違いない。
強引に押し込められたら女の力で抗うことなど無理に等しい。
「やっぱり、」
禅がそう言いかけた時、風呂が出来たことを知らせるアンスンスが鳴り響いた。
「よしっ!行こう!」
蜜がのそっと立ち上がる。
ソファーに座ったままの禅を振り返って小首を傾げて問う。
「行かないの?なら水着着ないから途中で入って来ないように!」
ピシッとそう言って、えへへと笑った。
こんなに俺がヤキモキしてるのに全く気付いてない。
しかも水着着用とは言え、一緒のお風呂なんてバカみたいな提案をアッサリ了承するなんて。
確かに無理矢理何かしようとは思ってはいないけど、警戒心が無さすぎじゃないか?
だからこんなにもヤキモキしてると言うのに。
冷蔵庫を物色してコーラを手にした蜜は子供みたいな笑顔。
「これもらってイイ?」
禅はそんな蜜からコーラを取り上げると空いた片手で抱き寄せた。
「筋肉痛でしょ?脱がせてあげるよ。」
そう言うとカットソーの裾から滑り込ませた手で瞬時にブラジャーのホックを外した。
「ひゃ!つーかさ、禅ちゃん10年色恋沙汰無しとか言って手慣れてるよね!?うちの社長もそうだけど、あんまりオイタしてると痛い目にあうんだから!」
蜜はそう言ってジロリと禅を見上げた。
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