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手早く全身を洗って、濡れた髪をゴムで括る。 そっと浴室のドアを開けて誰もいない事を確認すると巾着から水着を引っ張り出す。 一昨年、無理矢理尚に買わされたそれは久しぶりに広げてみるとやけに布面積が狭く感じられた。 「お腹の肉丸出し・・・」 躊躇いがちに身につけて首の後ろでリボンを結ぶ。 風呂場の鏡の曇りを拭いさって全身を写すと溜め息が零れた。 「ま、この体じゃヘンな気も起きないし、結果オーライか?」 そうこうしているうちに磨りガラスの向こうに禅のシルエットが見えて慌てて風呂に飛び込んだ。
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