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浴室のドアを開けて目を見張る。 視線が一点に集中してしまった。 おっぱい浮いてる・・・ そんな禅を見て蜜はガバッとお腹を両腕で覆って隠す。 いや、隠すところ違うから・・・ 「そう言えば禅ちゃん腹肉フェチなんだよね・・・」 「違うから。」 禅はキッパリそう言ってザブンと浴槽に身を沈めた。 「やっぱり大人二人だと違うね。」 以前海人と入った時はかなりゆったりだったが大人二人だとやはり腕や足が当たる。 入浴剤持ってくれば良かった。 こんな至近距離でまざまざと見せつけられて平常心でいられる自信がない。 禅は1つ溜め息をついて目を閉じた。 「じゃあいきまーす!」 蜜はすっかりリラックスした様子でジャグジーのボタンを押した。 途端に吹き出る泡に蜜は目を閉じて体を預けた。 「はぁぁぁぁ。ごくらくぅ。」 バスタブの淵に頭を預けて泡に身を任せる蜜はあまりにも無防備で。 思わずゴクリと喉が鳴る。 そっと手を伸ばしかけた時だった。 「ねぇ禅ちゃん。」 目を閉じたままの蜜が口を開いた。 「どうして今になって表れたの?」 静かにそう言った蜜は目を閉じたままで、表情は読み取れない。 「どうしてだと思う?」 「うーん、何だろう。たまたま気が向いたのが今日だった?」 「見くびられてるなぁ。」 禅は少し寂しそうにそう言うと蜜を強引に抱き寄せた。 「うわっ!」 バランスを崩した蜜はやっと目を開けて禅を見た。 「ちょっとお兄さん、何してるのよ?」 蜜は振り返らずにそう言った。 しかし真っ赤な耳は後ろから見てもバレバレで、禅はそれに煽られるように首筋に顔を埋める。 「ちょ、禅ちゃん!」 「なぁに?」 「何してるの?くすぐったいよ。」 少し上擦った声が禅の欲望を掻き立てる。 「今日ハニーちゃんの部屋で待ってたのは・・・」 そこまで言って首筋に口付ける。 「勘が連絡先を教えてくれないから・・・」 少し話してはキスを落としまた少し話してはキスを落とす。 首筋から耳、そして背中へキスの嵐が降り注ぐ。 「ぜんちゃ・・・」 その声に煽られて首の後ろで結んだリボンをスルリとほどいた。 咄嗟に胸元を押さえて蜜が振り返る。 その熱におかされたような潤んだ瞳に必死で保っていた理性がいとも簡単に崩れ去った。
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