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「ちょっと!」
蜜は顔を真っ赤にしながら禅を睨む。
禅は残念そうに笑っていた。
「もうちょっとだったのに。」
「何言ってるのよ!このどエロがぁぁぁ!」
「だって何か我慢出来なくなっちゃって。」
「だってって!あんたは子供か!」
蜜はそう言いながら急いでリボンを結び直す。
「もう絶対禅ちゃんとはお風呂入らないからね!」
「嫌だった?」
「そういう事言ってるんじゃなくて!」
「でも嫌じゃなかったでしょ?」
ニヤリと笑った禅に蜜は口ごもる。
確かに嫌じゃなかった。
そんなの嫌じゃないに決まってる。
だって、私は禅ちゃんが好きだから。
そう気付いてしまったから。
でも禅と『そういう』関係になるつもりはない。
自分にはもうウソはつけないけれど・・・
禅には伝えるつもりはない。
気付かれるつもりもない。
もしかしたら最後の恋になるかもしれないけれど・・・
ずっと片思い。
いつまでも、いつまでも、ずっと。
でもそれでイイ。
胸が張り裂けそうになる日がいつかやってくるのはわかっている。
でも片思いのままなら、何とかやり過ごせる。
もうあんな思いは二度としなくて済む。
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