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「でーきたっと。」 そう言って禅はぬいぐるみを蜜に手渡した。 「何これ?馬?」 そう言ってぬいぐるみを持ち上げるとそこにはカギがぶら下がっていた。 「それなら無くさないだろ?海人がお土産に買ってきてくれたんだけど、ちょうどいいね。あ、因みにそれアルパカらしいよ?」 禅はニッコリ微笑む。 「え?アルパカなの?そう言われたらアルパカに見えるかも。って!違う! コレ!このカギ!」 「え?だってここに住むなら必要でしょ?部屋のカギ。」 禅は平然とそう言った。 部屋のカギ!? まさか本気にしたの!? 「いやいやいや!勿論冗談だよ?」 「いいじゃん。ダメ?」 そりゃ勿論ダメだろう! って言うか、簡単に部屋の鍵渡すなんて無用心にも程があるでしょ!? 「そういう問題じゃないよね?」 蜜はそう言って禅に鍵を返そうとした。 しかし禅は鍵を受け取るどころか蜜の手を掴むとその指先にキスをした。 薬指にキスしたのは偶然か必然か。 禅はニヤリと口の端を持ち上げて、楽しそうに続けた。 「やっぱり同棲はまだ早かったか。」 「いや、まだ、とかじゃないでしょ? 」 「『まだ』だよ。まぁ、同棲は諦めるけど、そのカギはあげる。いつでも観れるしジャグジー使いたい放題。どう?良い話じゃない?」
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