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「ここがハニーちゃんの指定席だと思って諦めてよ。それと返品も受け付けない。」
禅はキッパリとそう言った。
「じゃあ・・・ビデオとジャグジーの使い方、教えてよ?」
「いいよ。」
禅はそう言うと満足そうにフフッと笑った。
禅は蜜が抱き締められる事を嫌がっていないことはわかっていた。
つい抱き締めてしまう理由、勿論抱き心地が良いというのは大きな理由だったが、何よりも抱き締めた時の蜜の様子がその理由だった。
うっすら顔を紅潮させながらうっとり恍惚とも言える目をする。
最初は遠慮がちに背中に回される小さな手にいつの間にか力が籠っていることに自分では気が付いていないのだろう。
抱き締める程に抱き締め返される。
まるでもっともっととねだるように。
本当は抱き締めることは愚か、触れることだって避けたいくらいだ。
触れるだけでスイッチが入る。
抱き締めて、キスをして、全てを手にいれたくなる。
ずっと繋がっていたいと思う。
正直、理性なんてあってないようなものだ。
到底保てる自信はない。
それなのに・・・
蜜は自覚してない様だけど・・・
キスを受け入れ、体を火照らせ、潤んだ瞳で煽るだけ煽って、本心じゃないくせに口先だけでアッサリ拒絶する。
抱き締めるだけじゃ済まなくなるのは時間の問題だった。
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