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しばらくして、かなり挙動不審な感じで蜜が戻ってきた。
禅をチラチラ見ながら、キッチン辺りをうろうろしている。
「ハニーちゃん、挙動不審だから。」
アッサリ指摘されて、蜜はあたふたしている。
可愛い。
堪らなく可愛い。
禅はにやける顔を抑えることが出来ずにいた。
「おいでよ。」
「だってすぐちょっかい出すんだもん。」
「だって男だもん。」
「それ言う?大人でしょう!?」
「大人だからさっきあそこで止めたんでしょ?まったく。」
「何か私が悪いみたいじゃない?」
キッチンのカウンター越しに言い合っていたが、禅が冷蔵庫にビールを取りに行くことでその距離感はアッサリ破られた。
ビール片手にフリーザーを開けてアイスを取り出す。
「食べる?」
「食べる!」
「じゃあおいで。」
アイスに釣られて意図も簡単に蜜はソファーに戻った。
ウキウキしながらアイスを頬張って思わず笑みが漏れる。
無意識的にスプーンですくったアイスを禅の口元へ運ぶ。
禅は何も言わずにぱくっとアイスを食べて、にやっと笑った。
「ありがとう。」
そしてようやくハッとした。
しまった!アイスに釣られた!
警戒してたはずだったのに!
百面相している蜜をクックッと禅が笑っている。
悔しい!
結局いつも禅ちゃんのペースに巻き込まれてるし!
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