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「それに私、お金持ちはたとえどんな人であろうと対象外だから。」
「えっ!?」
「あ、禅ちゃんもこんな良いとこ住んでるし一応お金持ちだったねぇ!?」
蜜はイタズラっぽく笑って禅を見る。
禅は少しだけ眉を下げて笑っている。
「俺は金持ちじゃないよ?ここは姉夫婦の持ち物。二人とも医者だから、まぁ、そこそこ持ってるんじゃない?」
蜜のあからさまな驚き顔に禅はプハッと吹き出した。
「ボーナスはほぼ確実に出るけど、月収は普通だよ?」
「まぁ、考えてみたらそうだよね。」
「でも何で金持ちはダメなの?普通反対じゃない?」
蜜はそう問われるとあからさまに動揺した素振りを見せた。
無意識なのだろうが、肩を大きく上下させて深い呼吸を繰り返している。
そして堪えきれないといった風にぎゅっと目を瞑った。
「ごめん。もういいよ。本当ごめん。」
蜜は目を閉じたまま小さく首を横に振った。
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