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「辛いこと思い出させたならごめん。本当にもういいんだ。もう聞かないから。」 禅が覆い被さるように優しく抱き締める。 小刻みに震える背中を子供をあやすようにさする。 しばらくそうしていると、やっと少しずつ落ち着きを取り戻した蜜がゆっくり目を開けた。 「ごめん。」 小さく囁くように謝った蜜が酷く小さく見えた。 守ってあげたい。 初めてそう思った。
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