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「そこは彼のお屋敷で、彼は公爵だか子爵の息子だったの。でも全然普通で、凄く接しやすかった。恋に落ちるのは本当に簡単だった。 学生のビザが切れる頃にはもう随分深い関係で、彼の家の庭師として雇われる形でイギリスに残ることが出来た。 初めは使用人たちと並びの部屋に住んで、庭師として働いていたの。だけど、いつの間にかマスターベットルームが自分の部屋になってた。 彼が愛してると言う言葉も、自分が一人前として認められたら結婚しようという言葉も、全部疑わなかった。 そして当然の如く妊娠したの。私は嬉しくて、結婚してこの庭を眺めながら幸せに暮らす未来しか見えてなかった。」
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