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「すぐに彼に報告したわ。絶対喜んでくれると思ってたし。でも違った。 彼は・・・ね?」 蜜は大きく息して、ゆっくり吐き出すと、震える声で続けた。 「タイミングが悪い。来週には結婚式が迫ってるし、せめて2~3年後じゃないと、って言ったの。結婚式なんて聞いてなかったし、喜んでいいのか悲しむべきか迷ったよ。でも、そんな事に頭を悩ませる事自体無意味だった。 彼は、どこぞやの本当のお姫さまとちゃんと婚約もして、結婚するって。決まってたことだって、そう言った。全然悪びれもしないで。 イギリスって、階級制度がまだバリバリに残ってて、庶民との結婚は有り得ないって簡単に言われちゃった。 むしろ潔さを覚えたくらい、簡単に。 彼曰く、愛してる、も、結婚しよう、もただのピロートークだって。 愛でお腹は満たされないよ?って微笑まれちゃった。 今まで通りここには通うし、給料も払うって。でも子供はだめって。」 「家名を汚すって?」 「うん。それもあるし、財産分与の問題が大きかったみたい。 日本に帰る事を条件に中絶を拒否したら、あっさり了承されて、安心していたら・・・」
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