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つい本気で眠ってしまっていた。
目を開けて目を凝らすと時計の針は4時を指していた。
心地よい重みは禅の腕。
しっかりと抱き締めてくれているその腕にいとおしさを覚える。
禅はいつも抱き締めてくれた。
時にはふざけて、時には強引に。
そしてどんな時もその腕には愛が隠っていた。
だから離したくはなかった。
本当は、離したくなかった。
「ありがとう。大好きだよ。」
そっと囁いて、ゆっくり禅の腕を退ける。
禅を起こさないように注意を払いながら寝室のドアに手をかける。
そして振り返らずに寝室を後にした。
全てを話してしまった後、妙にスッキリした気持ちになって、驚くと同時に禅の大きさに気が付いた。
禅の包容力がそうさせてくれたのだと。
だから決断した。
禅を解放しよう。
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