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「それは考えすぎ。」 禅はそうキッパリと言った。 「十月十日って言うだろ?その長い間、お腹の中で育てながら母親になっていくんだよ。だから妊娠がわかったばかりで直ぐに母親になれる人なんていないよ。」 「・・・・・」 蜜は何と答えて良いのか分からなかった。 禅の言うことには納得できるが、そんなにあっさり自分を許すことは出来ない。 「でも良かった。」 「えっ?」 「不謹慎かもしれないけど、俺は良かったと思うよ。そのゲス野郎のことは忘れさせる自信あるけど、亡くしてしまった子供については何もしてあげられないから。男には分からない感情があるだろう?」 何だか妙に納得してしまった。 確かに自分のお腹を痛めて子供を産む女の人にしかわからないかもしれない。 「なぁハニーちゃん?」 考え込む蜜に禅は続けて言った。 「もう忘れろよ?ゲス野郎の事は勿論、その子の事も含めて辛いことは全部。」
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