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蜜がバスルームに消えたのを確認すると、禅は携帯電話を手に取った。 「あ、俺。今日外来ある?」 電話の相手は同期の産婦人科医だった。 「予約ないんだけど今からそっち向かうから診察頼みたいんだよ。」 『何だよ!?まさか彼女を孕ませたっていうんじゃないだろうな?』 「違う。姉ちゃんの患者で、もう随分昔に受診してる。ちょっと相談もあるから。」 『なんか意味深だな。』 「ちょっとな。着いたら声かけるから。」  『わかった。IDはわかるか?』 「いや、名前は平間蜜。」 『ヒラマミツ・・あった!じゃあカルテ用意してもらっとくわ。』 「サンキュ。1時間くらいで着くから。」 『なぁ?このヒラマミツちゃんはお前の彼女?』 「になる予定。それはお前次第だから、マジ頼むよ。」 『何?何?どういうこと?』 「電話で話せることじゃないんだよ。後でな!」 『あいよ!』 通話終了ボタンを押すと、それを待っていたかのように仕度を済ませた蜜がリビングへ入って来た。 「おまたせ。」 「今電話しといた。そんなに待たないで診て貰える筈だから。」
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