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禅は横山に蜜の診察を頼むと待合へ戻った。 「お待たせ。今日診察する医者は横山って言って大学の同級生なんだ。」 「そう。」 「どうかした?」 浮かない表情の蜜にそう聞いた時、蜜の名前が呼ばれた。 「じゃ、行ってくる。」 「大丈夫?」 「大丈夫よ。若先生!」 蜜はそう言うと診察室の中に消えて行った。 禅は受付嬢に診察後蜜が出てきたら、自分が戻るまでここで待つよう言付けると3階の病棟へ向かって早足で歩き出した。 当時の担当看護師がまだ同じ病棟にいることは横山に確認済。 何でもいいから、当時のことを聞かなくては、と焦っていた。 エレベーターに乗り込み3階を押す。 低い機械音を聞きながら、浮かない表情だった蜜を思い出す。 大丈夫って言ってたけど・・・ そしてふと気が付いた。 あれ?確か・・・若先生って言ってなかったか? 看護師に話を聞くことで頭がいっぱいで、その辺の記憶はひどく曖昧だった。 蜜には話してないし・・・ きっと聞き間違いだろう。 そう結論付けて3階のフロアに降り立った。   
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