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「よかったぁ。」
「でもさ・・・」
「えっ?」
「今日これからやるってちょっとキツくない?筋肉痛でしょ?」
禅としてはこの色気のない展開は避けたかった。
軽く食事でもして、海岸に行ってみるか、というプランニングが台無しになる。
明日はあのイケメン社長とゴルフ。その前に何とか二人の関係をもっと形にしておきたかった。
「でも、早くやらなきゃ手遅れになっちゃうよ?あのままじゃあ半分咲くかどうかだもん。勿体ないし可愛そうでしょ?」
「そう。でも明日もゴルフだろ?」
「そうなんだよねぇ。5時に起きる自信が全くないよ。」
「また今度にしたら?」
「嫌なの?」
あくまでも身体を想って、というコンセプトで押していた禅は言葉に詰まる。
曇りのないガラス玉のような目で聞かれれば、そりゃあ良心も痛むと言うもの。
結局折れて大きな剪定バサミと大量の花の苗を車に積み込むことになってしまった。
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