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「じゃあ禅ちゃんはこっちお願い。ちゃんとグラデーションに濃い方が奥からだからね?」
まずはお手本、と手際よく花苗をポットから取り出していくつか植えて見せると、花壇を禅に任せて蜜はバラ園へと向かう。
そして大小の剪定バサミを巧みに使い分けてバラの枝を落として行く。
花壇に取り残された禅は隣で寝そべる太郎に目をやると小さく呟いた。
「こんなはずじゃなかったのになぁ?」
太郎はチラリと禅に目を向けたが直ぐに目を閉じて寝入ってしまった。
禅は仕方なく言われた通りもくもくと花苗を植えることにした。
早いとこ終わらせて何とか夕食には間に合わせないと。
せっかく丸一日一緒に過ごせると思ってたのに・・・
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