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「腰イテェ!」
最後の花苗を植終わって立ち上がると大きく背伸びする。
ずっと中腰だった体が悲鳴をあげている。
自分でも思いの外すっかり集中してやっていたらしく、辺りは暗くなりはじめていた。
それでも完成した花壇を満足げに眺めると、バラ園の蜜に目をやった。
「ハニーちゃん!終わったぞ!」
禅の声にバラ園の中からひょこっと蜜が顔を出した。
「こっちももう少し!」
蜜はそういうとまた姿を消してしまった。
バラ園に歩み寄り蜜を探すと、地面に這いつくばるようにしている蜜。
「何やってるの?」
「肥料。」
「もう結構暗いし、また今度にしたら?」
「もうここで終わるから。」
先程買ってきたバラ用の固形肥料を丁寧に手でならしている蜜。
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