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「禅ちゃぁーん!」
道具を片付けていると自分を呼ぶ蜜の声が聞こえた。
なんだか情けない声。
きっと疲れはてているに違いない。
今日のディナーは無理かもしれないな・・・
そんな事を考えながら蜜の元へ歩み寄ると、そこにはバラの木の根元に這いつくばったままの蜜がいた。
「どうした?」
しゃがんで覗き込むと、思いの外焦ったような表情の蜜。
「禅ちゃぁん・・・」
「え?虫?何?どした?とりあえず出ておいでよ。」
泣きつくように禅を呼ぶ蜜に少し慌てる。
ぱっと見ではなにが蜜にそんな声を出させているのか皆目検討がつかない。
「禅ちゃぁん!助けて・・・」
「ちょ!どうしたんだよ?助けるって?」
首だけで振り向いて再度禅を呼ぶ蜜の頬にハラリと涙がこぼれ落ちる。
「動けない・・・。」
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