15837人が本棚に入れています
本棚に追加
/1073ページ
「は?」
「腰が・・・」
「腰?」
「いたい・・・かたまって、動けない・・・いたい・・・動けない・・・」
まるで呪文のように、『痛い』と『動けない』を繰り返す蜜を慌てて引っ張り出す。
「イタタタタ!やめてぇ!」
「ええっ!?」
「腰を無理やりのばさないでぇ!」
抱えあげるのを断固拒否されて、一旦手を離す。
一体どうしたらいいんだ?
でもこのままずっといるわけにも行かないし。
蜜を見下ろしながら、さてどうしたものかと考える。
ゆっくり策を練る時間はない。
「ハニーちゃん、一瞬だから我慢して?」
とにかくバラの藪から出すことが先決だ。
禅は蜜の返事を聞く前に蜜の腹に手をかけて一気に持ち上げると、そのまま荷物の様に肩に担いだ。
「うっ・・・」
「ごめん、乱暴な真似して。この格好なら少しは良い?」
助かった!
それが正直な気持ちだった。
きっと禅の目と鼻の先に私の大きなお尻があるだろうけど・・・
はっきり言ってそんなこと気にしてる場合じゃない!
最初のコメントを投稿しよう!