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「美和、動き回るなって。」
そう言って拓人はフンワリ美和の腕を掴んだ。
そしてお姫様抱っこをされていることなど全く気にも止めずニッコリ蜜に微笑みかけた。
「お茶が入りました。海人も待ってるし下へどうぞ。」
そして気遣うように美和をリードしながら階段を降りて行ってしまった。
二人が見えなくなっても禅は蜜を下ろそうとはしない。
それどころかそのまま部屋へ連れ戻されてしまった。
「ちょっと!もう下ろしてよ。重いでしょ?」
「重くないって。この前も言ったろ?」
「い・い・か・ら!」
禅が仕方なく蜜をベットに下ろすと、蜜は直ぐに立ち上がった。
「この通り。もう大丈夫だから。」
「無理することないって。」
「してない!って言うか何であそこで抱き上げたりするの!?帰ろうと思ってたのにタイミング逃しちゃったじゃない!」
思い出したように蜜がそう言うと、禅は面白くなさそうな顔をして腕を組んだ。
「あのさ、そういうつもりって言っただろ?責任感じてる訳でもないし、ハニーちゃんが死ぬとも思ってない。
それなのに何でそこまで難くななの?」
「それはっ!」
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