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「1つ目。今日このままここに泊まって家族に紹介して明日から俺のお嫁さんになる。」 「はぁ!?」 「いいから。2つ目!今から恋人同士になって、このまま俺の部屋に帰る。で、朝までめちゃくちゃいちゃついて程よき頃に俺のお嫁さんになる。 さぁどっち!?」 「ちょ!どっちもお嫁さんになるんじゃん!しかも朝までめちゃくちゃいちゃつくってナニ!?」 「言葉通りだよ?お嫁さんになってからいちゃつくか、いちゃついてからお嫁さんになるかどっちか。」 平然とそういう禅。 「それ二択って言わないでしょ!?っていうか、お嫁さんって!どうしてそんな話に、んんんっ!」 抗議しようとした蜜の口は塞がれた。 突然のことで目を開けたままの蜜は禅のその瞳が正に『男』になっていることに気付いた。そして抵抗出来ないことを悟った。 あっというまにベットに押し倒されると、蜜の両手は禅の左手によって拘束されてしまった。 何度も角度を変えながら、キスは深みを増していく。 くぐもるような、甘えたような自らの喘ぎに蜜は自然とキスに答えていたことに気が付いた。 頭では分かっている。 階下には姉夫婦も海人もいるこの状況で、これ以上はマズイと。 でもどうしようもなかった。 今までも禅に押し倒された事はあったが、翻弄されながらも、抵抗が出来た。 きっと最後までする気はない、そう思えていたから。 でも今回は違う。 禅の瞳は明らかに欲望を灯していて、荒っぽいキスも、素肌を撫でる指先も、手加減はない。 本気で欲しがっているとしか思えなかった。
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