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たとえ頭がハッキリしていても、体の自由が効いたとしても、禅の本気を拒否することなんて出来なかった。
でもどうして、いきなり?
回らない頭でぼーっと考えていた。
首筋を這う禅の唇がやさしく耳朶に噛みつく。
「んあっ!」
思わず大きな声を出した蜜に禅は囁くように言った。
「選択肢その3、もう待てないから今すぐいちゃつくに決定したよ?いいよね?」
禅はそのまま執拗に耳朶を弄びながら、ついに下着の中へスルリと指を滑り込ませた。
「んっ・・ああっ!」
その久々の感覚に大きく体をしならせて甘い声で喘ぐ事しか出来なかった。
「イイ返事。」
クスリと笑う禅の声が直接耳の中にこだまする。
禅は蜜を組み敷いたまま上半身を起こしておもむろにシャツを脱ぎ捨てる。
その時だった。
「禅にぃちゃーん!」
パタパタと階段をかけ上る子供独特の足音とともに海人の声がこだました。
「海人っ!開けちゃダメだ!」
禅の叫びも虚しく、がチャリと開いた扉から不思議そうにこちらを見ている海人がいた。
「禅にぃちゃん、おきがえ?」
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