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「そ、そうそう!着替えたら行くから!」
「ハニーちゃんは?」
「一緒に行くから!大丈夫だから!」
「ぼく、待ってる。」
海人のその言葉にチラリと蜜を盗み見れば、頬をピンクに染めて瞳を潤ませ、まだボーッとしている。
「ハニーちゃんはちょっと具合が悪いんだよ。とりあえず着替えたらオレだけ降りるから、ママにそう言って来てくれると助かるんだけど?」
内心ヒヤヒヤしながらも海人にニッコリ微笑む。
頼む!こっちに来るんじゃないぞ!
素直に下に降りてくれ!
禅の心の叫びが届いたのか、海人は「いいよ!」と素直に部屋を後にした。
「はぁぁぁ。」
大きくため息をついてホッと胸を撫で下ろす。
すっかりそんな雰囲気ではなくなってしまって、内心相当ガッカリしながらも仕方なくベットから降りた。
「ハニーちゃん、大丈夫?」
「・・じゃない・・。」
「え?」
「ダイジョブ、じゃない。なんかスゴく熱くて、頭がボーッとして、上手く力が入らない。ちょっと休ませて?」
潤んだ瞳で真っ直ぐ禅を見つめる眼差しに、一度は萎えかけた気持ちがムクムクと沸き上がってくる。
可愛すぎるだろ・・・
この状況で何もしないでいられるのは仙人だけだ。
フェロモン全開、正しく女の顔をした蜜から目が離せない。
やっぱ我慢するなんて無理!
片膝をベットについて、まさに覆い被さろうとしたその時、階下からの大声が扉越しに響いた。
「ぜーん!がっつくなって、いってんでしょーがぁっ!早く降りてきなさーいっ!」
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