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ガックリ項垂れていると海人がパッと目を輝かせて駆け出す。
その先には階段を降りてくる蜜の姿があった。
「ハニーちゃん!だいじょうぶ?」
「うん。ごめんね。」
依然ギクシャクした足取りではあるが、もう歩くことに支障は無いようだった。
海人に手を引かれながら遠慮がちにリビングに入ってくる蜜を姉は満面の笑みで出迎えた。
「ごめんね、弟が年甲斐もなくがっついて。ホント恥ずかしいわ。」
「恥ずかしいのは姉ちゃんだろ?」
そんなやり取りをしている中、蜜はじーっと姉の顔を見つめている。
そして驚愕したように大きな声を出した。
「みっ!美和先生!?」
「あら、やっと思い出したのね?」
「や、あの、さっきは良く見てなくて・・・ってことは飯嶋先生は・・・」
「そう。うちのかぁちゃん。」
「え?やっ、だって、ええっ?禅ちゃんそんなこと一言も・・・」
「詳しい話する前に庭いじりはじめちゃったしねぇ。」
「ああっ!そう!あの、バラなんですがっ!」
「待って!庭の事は母に言って?私全然分からないの。」
「え、でも、あの、ちょっと見た目スゴいからビックリしちゃうと・・・」
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