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禅はクスクス笑うと大地の焼いていた肉を山盛り自分の皿に取った。
「ちょっ!」
ふざけんなよ!と続く筈だった言葉は禅の低い声に遮られた。
「チョロチョロするな。」
蜜はそんなやり取りも知らず、自分が丁寧に焼き上げた肉を皿に移すと満面の笑顔を禅に向けた。
「禅ちゃん、行こ?」
呆然とする大地はポンと肩を叩かれてやっと現実を目にした。
満面の笑みで禅の手を引く蜜。
こちらを振り返りニヤリと勝ち誇ったように笑う禅。
そして自分の肩を叩いたのも禅であったと言うことを。
あたかも『ご愁傷様』と言わんばかりに。
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