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呆然と肩を落とす大地を見て、勘は仕方ない、と説明してやった。 蜜は犬用の肉を焼いていた事。 犬に玉ねぎは厳禁な事。 犬に肉を食べさせる許可が出て有頂天で禅を引っ張って行った事。 勘に説明されて大地の顔に笑みが戻った。 「なんだ。蜜は禅さんじゃなくて犬が好きなだけって事じゃん。」 「今はな。」 「え?」 勘はニヤリと笑って大地の肩に手を置いた。 「10年ぶりに本気になったアイツは手強いと思うぞ。」 「俺だって久々に本気になりますよ。」 大地は勘の手を払いのけると睨みつけるように言った。 おぉ怖い、と勘はニヤニヤしながら軽く両手を上げて降参のポーズをとる。 「ま、俺は蜜ちゃんの味方だから。どっちでも構わないよ。」 「嘘つけ…絶対禅さんの見方のくせに。」 「いや、本気。蜜ちゃんが泣くような事があれば尚が泣くからな。」 大地は一瞬向こうの尚を見てニヤリと笑った。 「思い出しましたよ。尚ちゃんにも確か会った事あるんです。高校の頃。」 勘は無言で片方の眉を上げて大地を冷ややかな目で見る。 「そうか。さぞかし可愛かっただろうな。」 「めちゃくちゃ可愛かったですよ。ミニスカートの制服にルーズソックス。」 どや顔の大地に顔を近づけて勘はにこやかに言った。 「お前の言う通り、俺はやっぱり禅の味方だ!」
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