15845人が本棚に入れています
本棚に追加
「すぐ戻って来るからな。」
そう言って太郎を玄関で待たせると蜜を抱えたまま寝室へ。
そっとベッドに蜜を下ろすと、リビングからブランケットをもって来て蜜にかけてやる。
「太郎のだけど、ま、ハニーちゃんなら嫌とは言わないだろ。」
ベッドに腰掛けて乱れた蜜の髪をそっと直す。
髪から頬へ、意識しないままに指が滑る。
そして半ば無意識的にそっとキスを落とす。
今日会ったばかりなのに、何なんだろう…
ずっと以前からそうしていたように自然に体が動く。
ひとつ降らせた軽いキスが引き金になり、理性が追いつく間もなく次のキスを降らせる。
頭の片隅で妙に冷静な自分の声が響く。
もっと簡単に落とせる女なんかいくらでもいただろう?
今日会ったばかりだぞ?
寝込みを襲うのか?
女に関心なんてなかったはずだろう?
「クゥーン」
玄関先から聞こえる切ない声でようやくハッとして手を離した。
「何やってんだ…」
最初のコメントを投稿しよう!