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「ぜんにぃちゃん、太郎は?」 車に乗り込むと真っ先にそう聞く海人。 それも当然。いつもなら後部座席に太郎が待っているのだから。 「あぁ、今日は留守番。あのな、海人、俺とお前とは男同士だよな?」 禅はバックミラーを少し動かして海人を映すと、海人に目線を合わせてそう言った。 「うん!ぼくたち、男同士だ!」 「男同士の約束は絶対守らなくちゃいけない。わかるか?」 「うん!」 なんだかちょっとワクワクする!そんな顔をして海人は力強く頷く。 「よし。いまから会う人の事はパパやママ、ジジやババにも絶対内緒だ!わかった?」 「誰?誰?すごい人?もしかして、仮面ライダーじゃない!?」 物凄く目を輝かせている海人を見て思わず吹き出す。 ちょっと煽り過ぎたようだ。 「違うよ。残念だけど仮面ライダーじゃない。」 「なんだ。違うのか。」 あからさまにガッカリした海人は目線を足元に移して小さく呟いた。 「女の子なんだ。名前はハニーちゃんって言うんだよ。」 「ハニーちゃん?」 「そう。ハニーちゃん。今太郎と一緒にお留守番してる。」
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