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それから家に着くまでの小一時間はずっと海人の質問責めだった。 ハニーちゃん、という名前が余程気に入ったのか、いつのまにか海人の瞳には生気が戻り、会う前からすっかりお気に入りになってしまったようだ。 「ぜんにぃちゃんそっとだよ!」 「わかってる。静かだからまだ寝てるのかも。」 2人はそっと部屋に入って行く。 「ねぇ、ハニーちゃん見に行ってもいい?起きちゃう?」 「そうだな…もうそろそろ起きると思うし。」 禅は少し考えてから海人の頭をくしゃっと撫でながら言った。 「海人が起こしてやれ。眠ってる女の子の起こし方はわかるか?」 「知ってる!僕できるよ!」 海人は目を輝かせてそう言った。 「じゃあいいよ。そっとだぞ?いいな?」 「おっけー!」 海人は大きく頷くと足音を忍ばせて寝室へ入って行った。 海人と入れ替わりで太郎が尻尾を振りながら出て来た。 「ただいま。」 太郎の喉元を掻いてやりながら、蜜が起きてどんな顔をするか楽しみで、海人と蜜の方を見やる。 海人はそっと蜜の枕元に近づいておもむろに蜜の頬に両手をかけると、何の迷いもなく唇を奪った。
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