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海人はニコニコしていつのまにか蜜の手を握っている。
「海人くん?はじめまして。」
まだハッキリしない頭でとりあえず挨拶してみる。
自分に声をかけられたのが嬉しかったのか、海人は蜜にぎゅうっと抱きついた。
「えっ?海人くん?どうしたの?」
「ハニーちゃんママとおんなじ匂いがする。
ねぇ、ぎゅうってして?」
あぁ、この子は寂しいんだな。
一瞬にしてそう思った。
無理もない。こんなに小さいのに母親が入院して一緒にいられないのだから。
急に湧き出した母性本能で、途端に海人がかわいく思える。
こんな私に母親の面影を求めるなんて…
「いいよ。おいで。」
ベッドに座わると海人を抱き上げて膝の上に座らせるとぎゅうっと抱きしめた。
「ママとおんなじだぁ!」
胸に顔をすりよせて小さな手で背中をぎゅっと掴む仕草がかわいくてたまらない。
すっかり2人の世界に入りこんでいたのを禅の声が引き戻した。
「おい!海人!ママのおっぱいはこんなにデカくないだろう?」
ちょっと!
それ今言う必要あるの!?
蜜が顔を上げてそう言おうとした瞬間、海人がとんでもない事を言い出した。
「ぜんにぃちゃん、僕、今日は
ハニーちゃんと一緒にお風呂はいる!」
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