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蜜は冷蔵庫に突っ込んでいた頭をくるりと回して禅をまじまじと見つめる。 「粉なしでコロッケ作れるほど器用じゃないんだけど?」 「だよね。」 「パンはないの?」 「ない。」 「じゃあ無理!」 パタンと冷蔵庫を閉めると立ち上がって禅に視線を向ける。 禅は海人に視線を向けている。 海人は眉を八の時にして切なげに蜜を見つめている。 あぁ… 身から出た錆とはまさにこのことだわ… 蜜は出した食材をもう一度冷蔵庫にしまい直すと海人の正面にしゃがみこんだ。 「まずはお買い物だね。」 「うん!!」
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