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──。
「おはよう、佐藤くん! 朝から何、辛気くさいオーラを出しての?」
学校に着くやいなや、腐れ縁・鈴木が僕の背中をおもいっきし叩いてきた。
「ぐぇっ!!?」
僕は背中を叩かれた反動でそのまま顔面から地面へ向かって倒れた。
「おい!? 大丈夫? 佐藤くん!」
……大丈夫なものか!
前、しかも顔面からいったんだぞ、僕は!!
「──……いてててて、大丈夫、大丈夫。ちょっと顔を擦っただけだろう」
いちを人間関係は大事なので本音は言わない。
──というか、鈴木と殴りあいの喧嘩まで発展したら僕の命が何個あっても足りない。
鈴木は、『相撲部』、『空手部』を掛け持ち、更に『柔道有段者』に『レスリング』、『コンバットサンボ(徒手軍隊格闘術)』などといったあらゆる格闘技を習っている。
それに加えて、鈴木には手加減というものがない。
何も考えずに叩いたり、殴ったり、蹴ったりするので日々、毎日のように被害者と器物破損が発生する。
「大丈夫、佐藤くん? 保健室まで連れて行こうか? それとも救急車を呼ぼうか?」
そう、鈴木は根はいい奴なので憎みきれない。
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