2人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
パラノイア
見てる。
じいっと。息を殺して。静かに、静かに。
気配だけは、隠そうともしないで。
ただ、ただ、見てる。
わたしを、見てる。
わたしの言葉。
思いつくままにした話。白いノートに書き出した1日の出来事。口には出さなかった声。
どうして、どうして。
みんな、知ってる。
わざとらしく。にやにやしながら。
知ってるよ、あなたの言葉を知ってるよ、と言いたげな顔で。
わたしを見てる。
あぁ。気が狂いそう。
見ないで。見ないで。
お願いだから、どうか、見ないで。
誰にも相手にされないことは寂しいのだけれど。
わたしだけの場所が、わたしだけのものが侵されるなんて。
すべてを消したくなるくらいに。
気持ちが悪い。
何を無くせば。
この不快な渦の中から、抜け出せるのか。
そればっかりを考えて。
何を、消そう。
何を、壊そう。
最初のコメントを投稿しよう!