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グッナイ & グッナイ
「ずっと一緒にいようね!」
わたしがそう言うと、いつも決まって、
「バカだな、先のことなんか分かんないじゃん」とか鼻で笑いながらも、頭をなでてくれた。
クリスマス。初詣。バレンタイン。
来年の花火大会だって、一緒にいこうね、って約束してたのに。
叶えられなかった予定の方が、実行したデートの数より多い、なんて。
50年後。しわくちゃのおばあちゃんになったわたしの姿なんかは想像できないし。
よぼよぼのおじいちゃんになった祥君だって、想像できなかったけど。
なんとなく、なんとなく、一緒にご飯食べて、どうでもいいような話をしてるかもしれないな、くらいは考えてた。
そんな、ずっと遠い将来じゃなくても。
わたし達が学校卒業して、社会人になって。
結婚式とか。挙げちゃったりして。
2人で。ずっと一緒にいられるんじゃないかな、って。思ってたのに。
あっけない。
さよなら、って。本当にあっけない。
電話1つで、簡単に終わっちゃうことも信じられないけど。
そんな「さよなら」でも、納得できちゃうことが、もっと、信じられない。
泣いても、泣かなくても。
祥君と、もう手をつなげない。映画館の暗い中でキスもできない。
みっともないから、止めたいのに。
涙が止まらないのは、なんでだろう。
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