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何も考えられなくて
怒鳴ろうとしていた事も
忘れ、見とれてしまう。
それくらい綺麗なのだ。
一方の彼も何も言わず
ただただその誰しもが
吸い込まれてしまいそうな
透けた瞳で香杞を見ている。
また、数秒の沈黙。
風の音だけが聞こえる。
黙り合う2人だったが
ゆっくりと少年が口を開いた。
彼の、美少年の、第一声。
どんなものなのかと
どんな素敵で紳士な言葉が
でてくるんだろうか。
香杞は内心
ドキドキしていた。
しかし、
その顔からは想像もつかない
とんでもない言葉を少年は
香杞に言ったのだ。
「俺が通ろうとしてんのに
のっこのこのっこのこ
歩いてんじゃねぇよ
このクソガキが!!」
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