わがままな王子様

7/40
前へ
/56ページ
次へ
    何も考えられなくて 怒鳴ろうとしていた事も 忘れ、見とれてしまう。   それくらい綺麗なのだ。   一方の彼も何も言わず ただただその誰しもが 吸い込まれてしまいそうな 透けた瞳で香杞を見ている。   また、数秒の沈黙。 風の音だけが聞こえる。   黙り合う2人だったが ゆっくりと少年が口を開いた。   彼の、美少年の、第一声。   どんなものなのかと どんな素敵で紳士な言葉が でてくるんだろうか。   香杞は内心 ドキドキしていた。   しかし、   その顔からは想像もつかない とんでもない言葉を少年は 香杞に言ったのだ。       「俺が通ろうとしてんのに のっこのこのっこのこ 歩いてんじゃねぇよ このクソガキが!!」        
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加